今回の米大統領選で見られた多くの皮肉の中に、次のものがある。ドナルド・トランプ氏がカマラ・ハリス氏を破った主な理由の一つは、2021~2023年の高インフレだった。しかし、11月5日の投票日以前に多くのエコノミストが言っていたように、ほぼすべてのエコノミストは、トランプ氏が提案している政策がインフレを招くと述べるだろう。関税、減税、不法移民の大量送還という三つの政策が、選挙戦で最も注目を集めた。まずこれを取り上げてから、インフレをもたらす最大の危険要因、すなわち米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性に対する脅威に話を移すことにしよう。トランプ氏が何度否定しても、関税は(差別的な)売上税だ。輸入品を差別することが関税の目的だ。言うまでもなく、売上税は消費者にとっての価格を押し上げる。調査によれば、米国の消費者は最近の関税引き上げ分のほぼ100%を負担している。
【寄稿】トランプ氏の経済計画、インフレ要因だらけ
物価押し上げの可能性、関税・減税・移民送還そしてFRB議長解任にもあり
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