デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は富士通、NTTデータグループなど「ITベンダー」業界4社について解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部 笠原里穂)
NTTデータ、野村総研は増収
富士通、NECは減収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のITベンダー業界4社。対象期間は2024年7~9月期の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・富士通
増収率:マイナス5.0%(当四半期の売上収益8666億円)
・NTTデータグループ
増収率:6.1%(当四半期の売上高1兆1280億円)
・野村総合研究所
増収率:1.8%(当四半期の売上収益1887億円)
・NEC
増収率:マイナス5.4%(当四半期の売上収益7964億円)
ITベンダー4社では、NTTデータグループ、野村総合研究所が前年同期比で増収、富士通、NECが減収となった。
四半期増収率はマイナスとなった富士通、NECだが、25年3月期中間決算では、営業利益がともに2ケタ増益となっている。その要因は何だったのか。
次ページでは、各社の増収率推移とともに詳しく見ていこう。