10代のコンピューターオタクだったパット・ゲルシンガー氏は、人生の軌道を決定づけるある仕事の面接を受けた。シリコンバレーを拠点とする初級技術者の職に、12人が応募していた。ゲルシンガー氏は12番目に面接に臨んだ。米国有数の革新的企業インテルのエンジニアを束ねるマネジャーは、飛行機に乗ったこともなかったペンシルベニア州の農家出身の少年に心をつかまれ、採用を決めた。「頭が切れる。非常に積極的。やや傲慢(ごうまん)」。マネジャーはこう書き記した。「当社にうってつけの人材だ」それと同じ特徴を持つインテルは半導体業界の巨人となった。一方で、結果的にこうした資質は、米テクノロジー業界がもたらす経済成長を支えた象徴的企業に存続の危機をもたらすことにもなった。