あなたはいま、迷いや不安のない充実した毎日を過ごせていますか?
いまの自分が「本当の自分」と胸を張っていえれば、あなたの未来は明るくひらけていきます。
世界20カ国での指導歴をもつ瞑想家・ヨガ指導者のニーマル・ラージ・ギャワリ著『世界的瞑想家が教える本当の自分に戻ってラクに生きる練習』(ダイヤモンド社)では、ヨガ哲学の叡智から著者が導き出した、人類共通の問題を解決する方法が詰まっています。「救われた、生きやすくなった」と感謝の声が届くその教えをご紹介していきます。
嫌な思い出は、紙に書いて火で燃やす
誰にでも、後悔することがあると思います。
「あれをしなければよかった、あれさえできていたらいまの自分はこんなふうになっていなかった」と……。
あるいは嫌なできごとが頭から離れないこともあるでしょう。
例えば、受験で失敗した、配偶者の選び方を間違った、希望した仕事に就けなかった、ギャンブルで借金をしてしまった。親や教師、友だちにひどいことを言われた、仲間はずれにされた、いじめられた……。
過去を悔やむ気持ちが強くて、
いまの自分が迷うこと、不安に思うことがあるのではないでしょうか。
夫が大嫌いになって離婚したある女性の後日談
いまをよりよく生きるためにできることが2つあります。
1つは、後悔していることを「人生の勉強になった、いま思えばよい経験だった」と思うことです。
時間を戻して過去を書き換えることはできませんが、「過去の出来事をどう捉えるか」はいくらでも変えられます。あれはよい経験だったと、思考を転換できれば問題は解決します。
もう1つはきれいさっぱり忘れることです。
しかし、嫌な思い出を忘れることは難しいかもしれません。考えてもしょうがない、考えたところで何も変わらないことは忘れてしまうのがいちばんですが、悪い印象が強すぎて、どうやっても忘れられないことはあるでしょう。そんなときには、「火で燃やす」という方法があります。
適切かはわかりませんが、わかりやすい例として、「夫が大嫌いになって離婚したある女性の後日談」を例にとって説明しましょう。
彼女は「別れた夫の顔なんか、もう見たくない!」と言いながら、元夫の顔を覚えていて忘れることはありませんでした。カフェで友だちと「男なんてロクなもんじゃないね」と話しながら、「男なんて」とは元夫のことを言っているのです。決して近くにいるいい男の話ではないですよね。
忘れたいと思っているのに忘れられない。忘れようとしても頭から消えない。それで、頭や心のなかにいる元夫の顔を見ないふりをしたり、嫌な気持ちを抑えたり、考えないように心にフタをするのはよくあることです。
でも、見ないふりをするのは、逃げているだけです。そのときはラクになりますが、それでは解決にはなりません。「見ないふり」をするのではなく、思い出をきれいさっぱり消し去る必要があるのです。
ここで「火で燃やす」方法を使います。
忘れたいことを火で燃やす方法
紙とペンをテーブルに置き、椅子に座って、これから紙に書く内容を考えます。書き始めたら、最後まで一気に書くのがルールなので、何を書くかを先に考えておきます。
何枚になってもいいので、思い浮かんだことをすべて一気に書きます。
気がすむまで書いたら、書いた紙をくしゃくしゃに丸めます。そしてすぐに、可能なら外で火をつけて燃やしてください。
この場合、紙に書くのは元夫とのつきあいの経過や、そのときの気持ちです。
書く内容は、例えばこんな感じです。
元夫の名前。
何年の何月からつきあって、何年の何月何日に結婚した。
何年の何月まで楽しいことがたくさんあった。
言い争うようになった原因は〇〇。
私がお願いしたことをしてくれなくて腹が立った……。
などなど、小さなエピソードでも、些細なことまで思い浮かぶことをすべて書ききります。途中で書いたことが間違っていないか確認したり、読み返したりしてはいけません。
会社の上司が嫌でたまらないなら、上司のことを事細かに書いてください。
いじめられた経験を忘れたいなら、いじめた人のことと、いじめられたことを書いてください。
過去の恋愛がトラウマになっているなら、そのことを書いてください。
あなたが忘れられないことを書き連ねて、
その紙を火で燃やすのです。
自分のなかにあった嫌なエネルギーが消える
どうして火で燃やすのかというと、あなたの嫌な気持ちにはエネルギーがあるからです。あなたが書いた紙には、その嫌な気持ちのエネルギーが込められているので、燃やして灰になれば、その灰の中にエネルギーが移るのです。そうするとあなたのなかにあった嫌なエネルギーが、なくなってすっきりします。
ですので、書いたらすぐに燃やすことが肝心です。
紙を丸めてゴミ箱に入れておしまいにしたら、部屋に嫌なエネルギーを置いていることになるので、意味がありません。
ネパールならお寺に行って燃やしますが、日本では難しいですよね。
どうしても外で燃やせないときは、ドアや窓を開けて煙が流れるようにしてから、台所のシンクでマグカップやお皿に丸めた紙を入れて燃やしてください。くれぐれも火傷や火事に気をつけて。燃えきったら灰は水で流します。
これを試しても問題が解決しないときは、もう一度同じことをします。
この方法を何度も講座で教えてきましたが、1回、2回では忘れられなかった人も、3回すると問題が解決しています。
どうしても忘れられないことがあるなら、試してみる価値は十分にあります。
※本稿は『世界的瞑想家が教える本当の自分に戻ってラクに生きる練習』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
瞑想家・ヨガ指導者
1976年生まれ。ネパール出身。代々続く伝統的なヨガ道場に生まれ、9歳からヨガを本格的に始め、15歳で王族や上流階級の人々への指導を開始。ヨガとアーユルヴェーダを学び、22歳のときハタヨガの博士号を取得。世界20カ国でヨガ・瞑想を指導したあと2003年に来日し、ヨガの振興に尽力。2008年にニーマルヨガ白金台スタジオをオープン。2019年にメディテーションテックベンチャーのスワル株式会社を設立し、自身が開発した「ニーマルメソッド(R)」による瞑想講座や、ラージャヨガとハタヨガをベースにした「ニーマルヨガ」などの講座を開催。2024年10月東京・銀座にオープンしたアーユルヴェーダの叡智を基にし、心と身体の真の健康と究極のアンチエイジングのためのオーダーメイド施術プログラムを施す「THE HUNDRED WELLNESS SALON」の監修も行う。多くの著名人や経営者をはじめ、人生における本質の学びや健康を求める人から支持を得る、いま日本で最も人気のある瞑想家・ヨガ指導者のひとり。
ホームページ https://www.suwaru.co.jp/
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