「できない自分が嫌い」…その悩みが“時間のムダ”な理由、今すぐやめろ!写真はイメージです Photo:PIXTA 

誰にでもある失敗の瞬間や悩みごと。鬱屈した気持ちの解消におすすめなのが古今東西の「名言」だ。過去に同じように悩んだり考えた人々の名言に耳を傾けると、驚くほど前向きになれることがある。本稿では、12月5日発売の『人生が好転する95の言葉 大人のための“名言ケア”』(創元社)から、ピンチな状態にあるあなたを救う珠玉の名言を3つ厳選して複数回に分けてご紹介する。第二弾は「他人との比較」。名言をこっそりじっくり噛みしめよう。(コラムニスト 石原壮一郎)

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「成長できない悩み」は「強み」の素
他人と比べて落ち込む時間は“ムダ”かも!?

 仕事が思うようにいかないと「どうして自分は、いつまでたっても成長できなんだ……」と、もどかしさや悔しさが入り混じった気持ちになります。同僚や友人が成果を上げているのを見て、「それに引き換え自分は……」と気持ちが沈んでしまうことも。

 目に見えない壁をぶち破るために、名言という武器を手に入れましょう。古今東西の名言は、人類の叡智の集大成です。人生という険しい道のりを歩む世界中の人々に、励ましや慰めや勇気を与えてきました。つらいときや苦しいときほど、名言に込められたメッセージがより強く心に響いてくれるはずです。

 第二弾は「成長できない自分」がもどかしいあなたに贈る3つの名言を選びました。気持ちを切り替えて、今すべきことを見つけてください。

 ひとつ目に贈りたいのは、フロイトのこの言葉。思うように成長できない自分にもどかしさを覚えているあなたは、じつは「強い人間」なのかもしれません。そして「なかなか成長できない」と認めることができるのは、じつは得がたい武器でもあります。

名言その1
【あなたの強さはあなたの弱さから生まれる】


ジークムント・フロイト(オーストリアの心理学者、精神科医/1856~1939年)

精神分析学の創始者。人間には自我を認識している「意識」と、その存在を把握できない「無意識」が存在していることを唱え、深層心理学を樹立した。無意識論、エロス論などは、理性に基礎を置く西洋思想を激しく揺さぶった。

 あなたは「強い人間」でしょうか、それとも「弱い人間」でしょうか。こう聞かれて、迷いなく「自分は強い人間だ」と答えられる人は、たいへん恐縮ですが、ちょっと危なっかしいかもしれません。遠慮がちに「弱い人間かなあ」と答える人のほうが、むしろ強さを秘めているように感じます。

「自分は強い」と思っている人は、失敗や挫折を経験していないのかもしれません。たまたま今までは順調な人生を歩んできたとしても、いつか壁にぶつかるでしょう。根拠の乏しい「強さ」は、そんなときは意外にもろいもの。自信を無くして、なかなか体制を立て直せないかもしれません。

 その点「自分は弱い」と思っている人は、壁にぶつかっても、自分の非力を素直に受け入れられます。弱い自覚があるから、何が足りないのか、少しでも強くなるにはどうすればいいのか、しっかり考えられるし行動も起こせるでしょう。

 いろんな場面で自分の弱さを思い知らされるたびに、どんどん強くなることができます。あなたの弱さは、大きな武器にほかなりません。

●結論
自分の弱さを認められるのは、あなたが強いことの証である