会社やチームのリーダーとして、いま、求められているリーダーとはなんだろうか? 責任をとること? 部下やメンバーの話をよく聞いて、仲を深めること?
『リーダーの言語化 「あいまいな思考」を「伝わる言葉」にする方法』の著者である木暮太一氏は、リーダーの本来の役割は、どこに向かって進むべきかを「言葉で明確に伝えること」だと話す。本記事では、木暮氏に「言語化」について教えてもらう。

ダメなリーダーは「カタカナ語」ばかり使う。優秀なリーダーはどうする?Photo: Adobe Stock

カタカナのままメンバーに説明していないか?

DXやD&I、ビジョン・ミッション・パーパス・ウィルなどのカタカナ語が次々と登場し、なんとなく当たり前に使われつつあります。これらの新しい言葉が経営方針に組み込まれることもあり、これらのカタカナ用語に沿って戦略を立てなければいけないこともあります。

しかし、多くのリーダーがこうしたカタカナ語を自分の言葉で説明するのに苦戦しているのが現状です。「結局、カタカナのままメンバーに説明してしまう」「何を意味しているのか、じつは分かっていない」と感じているリーダーも少なくありません。

でも、それはリーダー失格です。

自分が分からないだけであれば、まだマシですが、それをメンバーに向けて発していますよね。そして、なんらかの「アクション」を期待していますよね。自分自身もよくわかってない言葉を相手に投げつけて「じゃあ、あとはよろしく」とだけ伝えるのは責任放棄ではないでしょうか?

カタカナ語を自分の言葉で説明できない理由

リーダーがカタカナ語を自分の言葉で説明できないのには、いくつかの理由があります。

・カタカナ語の定義が曖昧
そもそもカタカナ語は外国語で、ぼくらが普段使っている言葉ではありません。概念的で抽象的な意味合いを持っていることもあるため、リーダー自身がその定義を正確に理解できていないことが多いです。
・カタカナ語の背景・文脈を理解できていない
カタカナ語はよく使われるようになった最近のトピックであることが多いです。その背景にある社会動向や、その言葉が出てきた背景を理解していないと、本質的な説明ができません。
・自分の言葉で置き換えるのが難しい
カタカナ語は、もともと馴染みが薄い言葉で、具体的な言葉に自分で置き換えたり、自分の言葉で噛み砕いて説明するのが難しいです。

そもそもカタカナ語は、ほとんど外来語です。つまり違う言語なわけで、日本人のぼくらが理解できないのは自然なことです。なので、わからない言葉は分かるまで自分で調べなければいけません。でも、意味を調べずに、なんとなくみんなが使っているから自分も口にする、というケースが大半ですよね?