リーダーにできる3つの取り組み
では、リーダーはカタカナ語を自分の言葉で説明できるようになるために、これから何をしたらいいか。やるべきことは3つです。
1. そのカタカナ語の目的を明らかにする
まずは、カタカナ語を自分の言葉にすることが必須です。そしてそのためには、一般的な意味ではなく、自分の仕事にとってはどういう意味になるのか、何をすることが求められているのかを考えます。つまり、そのカタカナ語の目的を自分なりに明確にすることから始めましょう。
たとえば「ダイバーシティ推進」であれば、たとえば「それぞれの社員の価値観を尊重し、働きやすい職場を作ること」と考えられるかもしれません(これは人によって違います)。自分や自分のチームがその言葉を使うときにはどういう意味になるかを考えなければいけませんね。
2. カタカナ語の背景にある社会変化を理解する
次に、カタカナ語の背景にある社会の変化や潮流を理解することも欠かせません。カタカナ語は、単に新しく海外から入ってきた言葉ではなく、直近の社会の変化を反映したものが多いです。だからこそ日本語として定着する前に言葉が広まっているわけです。直近でどんな変化が起きているのか、なぜこの言葉が登場したのか、それを把握することで、カタカナ語の意味合いがより深く理解できるはずです。
ダイバーシティ推進の意味を考えるときには、「なぜこの『ダイバーシティ推進』が、今、テーマに上がっているのか」を理解しておく、ということです。その社会背景や自社が重視するようになったポイントを理解していれば、的を射た意味付けができるようになります。
3.具体的な事例を織り交ぜながら説明する
最後に、カタカナ語を自分の言葉にするには、具体的な例を織り交ぜて考えることをおすすめします。
「ダイバーシティ推進」の目的を「それぞれの社員の価値観を尊重し、働きやすい職場を作ること」としました。でも、そこで終わらず「それって具体的にどういうことだろう?」を合わせて考えておきましょう。それって、たとえば個別に出社時間を変えるということ? 服装を自由にするということ? 勤務時間と報酬を個人の希望に合わせるということ? など、自分にとっての「それぞれの社員の価値観を尊重し、働きやすい職場を作ること」は何かを例を挙げます。
相手に示すだけではなく、自分の中でも事例とセットで理解することで、自分の言葉になっていきます。
カタカナ語を自分の言葉で語ることの重要性
社会の変化が激しく、新しい概念も次々に出てきます。そんな時代において、カタカナ語を自分の言葉で説明できるようになることは、リーダーにとって非常に重要です。
新しい概念やトレンドについて、リーダー自身が正しく理解し、自分の言葉で部下に伝えられるようになれば、組織全体の理解度も深まりますね。
カタカナ語の言語化は、リーダーにとって自身の言語化スキルを高める絶好の題材でもあります。自分はすでにできている、と考えてしまうと慢心に繋がります。まずはカタカナ語でトレーニングをしていくことをおすすめします。