20万部を突破し、いまだ人気がおとろえない本『佐久間宣行のずるい仕事術』(※)。その刊行から2年、著者、佐久間宣行さんが新刊、『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』を上梓した。上司の悩みの裏には部下の悩みが潜んでいる(逆もしかり)。しかし「上司は部下の」「部下は上司の」気持ちはわからないもの。そこで本書は上司と部下、それぞれの気持ちを解説しつつアドバイスをする1冊となっている。この連載は本書の中から、職場の人間関係やメンタルのコツ、転職に役立つノウハウなどを紹介していく(構成/石塚理恵子)。
(※)『佐久間宣行のずるい仕事術』は「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」で総合グランプリ・ビジネス実務部門賞のダブル受賞を果たした。
「損得」を考えるコツ
仕事をするとき多くの人が悩むのが「損得」なんじゃないかと思う。
「この人と付き合うと得かもしれない」と期待したり、「この仕事、この会社はコスパが悪いかもしれない」と警戒したり。
その前提に立った上で、僕が大事にしてきたことは、目先の小さな損得ではなく遠くを見ること、損得の捉え方を大きくして視野を広く持つことだ。
「千鳥」と仕事をした話
たとえば「千鳥」の話をしたい。
僕は知り合ったときから千鳥の2人のおもしろさを信じていた。
なにをどう考えても絶対に売れる。
その確信があったから、千鳥と番組をつくれることになったとき、会社からなにを言われても、2人の好きなことを企画にすることにこだわった。
「近く」ではなく「遠く」を見る
結果、視聴率が下がって、テコ入れしないと番組が終わるという状況でも、僕はその姿勢を変えなかった。
上から突つかれてプライドが傷つこうが、「佐久間はできないヤツ」だと思われようが、そんなことは短期的で些末なこと。
それより千鳥に「一緒に組むとおもしろいことができる」と信頼してもらうことのほうが、会社にとっても自分の人生にとっても得になると考えた。
結果、この番組は短期で終わったけれど、このとき2人から信用してもらえたことが、その後、大ブレークを果たした千鳥との次の番組につながったし、僕にとってもNetflixの「トークサバイバー」シリーズにつながった。
「決算」タイミングはすぐにはこない
仕事をするとき「損得」の考え方は外せない。
でも、その損得の「決算」をするタイミングは、ずっと先にやってくる。
だから仕事は目先ではなく、遠くを見ることが大事だと僕は思う。
(本稿は佐久間宣行、『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』からの抜粋記事です。)