ドナルド・トランプ次期米大統領は、ウクライナでの戦争を終わらせたいと望んでいる。それを望まない者がいるだろうか。いるとすれば、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のように思える。プーチン氏は先週行った毎年恒例の年末記者会見の中で、トランプ氏に対し、停戦合意の条件に関するメッセージを送った。プーチン氏は「まず、交渉開始の条件について話そう。われわれは前提条件を付けない」と述べた後で、広範な前提条件を提示した。今後の交渉は2022年にイスタンブールで行った交渉を「ベース」とし、「支配地域に関する今の現実を起点にして進められる」と同氏は述べた。ロシアは2022年の停戦交渉で、ウクライナに北大西洋条約機構(NATO)への加盟を断念して永世中立国になり、軍備を大幅に縮小することを求めた。これが現実になれば、ロシアの領土獲得が承認され、今後不可避と思われるロシアの攻撃に対して、ウクライナは無防備な状態になる。
【社説】プーチン氏のウクライナに関する強気メッセージ
トランプ氏を待ち受けるのはウクライナ敗北と米国にとっての屈辱
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