以前、観劇に行った際に、出演者のスタンドアップ(ステージ上でマイク1本で身の上話や時事ネタを話したりすること)があり、女優の方がプライベートの話をしてくれました。そこで、離婚調停中というカミングアウトがあったのですが、「離婚をする」という話をしたら既婚者は心配し、離婚者は「いえ~い! 楽しいよ~!」と全員がそう言う、と驚いていました。
それだけ、おひとりさまは楽しいのだと思います。もちろん、夫婦という楽しい時間を持っている方もいますが、ひとりが向いている人は必然的におひとりさまになっていると思うので、ひとりで人生を楽しむべきだと思います。
そこで重要になってくるのが、ひとり暮らしをする住まい。
老後、部屋にモノがあふれていれば、掃除や調理といった家事もしづらいし、片づけたくないから汚れていく。火元の周囲に物があれば火災の心配もある。地震がくればモノが崩れて逃げ出すこともできないかもしれない。
年をとってからの“モノあふれ”は負のスパイラルでしかありません。「モノに埋もれて逝く」なんて嫌ですよね。
ひとりで過ごす時間が長いからこそ、心地よく
さて、そんなセカンドライフですが、平均寿命からいっても50代から20年以上はあります。
長い時間を費やす住まいは、何もないほど片づいていればいいわけでもなく(もちろん、何もない部屋が心地いいと思う人はそれでいいのです)、自分の好きなモノ、好きなインテリア、好きな色に囲まれているのがいちばん心地よいはず。
散らかっているのと、好きなモノ・心地いいモノが多々あるのでは意味合いが違ってきます。好きなモノは残していいのですが、ただ散らかっている住まいは、紙袋とか箱、好きでも嫌いでもない「もったいない」「高かった」「いつか使うかも」というモノであふれているのです。
今の時代だと、インスタグラムやブログなどで個人のインテリアを発信しており、さまざまな住まいを見ることができます。いろいろ見ていると「あ、この家好き」「こんな部屋いいな」と思う写真がきっと出てきます。その家のモノの量が自分にとっても心地よいはずです。直感って当たっていますからね。