人工知能(AI)や暗号資産(仮想通貨)に対するドナルド・トランプ次期米大統領の熱意は、思わぬ影響をもたらす可能性がある。それは、同氏が長年にわたって批判してきた再生可能エネルギーが後押しされることだ。業界幹部らは、AIモデルや仮想通貨マイニング施設を支える巨大データセンターについて、膨大な電力を消費することから、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを含むあらゆる発電源が必要になると予想する。データセンターは短時間の急激な電力消費に加え、24時間体制で電力を使用するため、電力網に独特の負荷をかける。また新世代の巨大データセンターは1カ所で中規模都市並みの電力が必要となる。トランプ氏や同氏の側近らとエネルギー政策を協議したケビン・クレーマー上院議員(共和、ノースダコタ州)は、「AIであれ仮想通貨であれ、これらのサーバー施設の需要を満たすだけの電力が既に足りていない」と言及。その上で、米国は再生可能エネルギーと化石燃料を含め、可能な限り多くのエネルギーを生み出す必要があると指摘している。