トニー・ジョージさん(55)の客は、緊張をほぐす必要がある時はジョージさんのスパを訪れ、130ドル(約2万円)を支払ってマッサージ台に横になる。元美容師のジョージさんは客の背中や足、腕を長さ7センチメートル強の爪でなでる。頭皮まで施術すると、今度は両耳の内側に爪の先端を入れる。ジョージさんによると、多くの客はいつの間にかうとうとして、気持ちが良さそうな声を出す。爪でかくことを仕事にしている人は少ないが、増えつつある。配偶者に頼んだり、木製のスプーンを使ったりすれば無料の行為に、人々が1時間100ドル以上を払う健全な市場ができることが施術者の望みだ。プロの施術者は、かゆいところをかくだけでなく、配偶者や木のスプーンの助けを借りても手が届かないレベルのリラックス状態に到達する手助けをするという。施術者は、ろうそくの明かりに照らされた部屋で施術を受ける客の動画を投稿して関心を集めている。