SAPIXの広野雅明先生に「中学受験の素朴な疑問」をぶつける連載。「学校名公開!SAPIX広報が教える『評判以上に満足度が高い中高一貫男子校4選』」で取り上げた4つの中高一貫校を4本連続で紹介する。第3回は桐朋中学校・桐朋高等学校。桐朋ほど非効率な学校はない――。このように本校の魅力を表現する広野先生に、「非効率な学校ではどんな子が育つのか」を解説してもらいました。(聞き手・文/教育アドバイザー 鳥居りんこ)
「聖光」「海城」とは真逆
非効率だから良い「桐朋」
――「サピックスに満足度が高い学校を聞いてみよう!」シリーズは聖光→海城を紹介してきましたが、今回も絶対王者のサピックスが勧める学校は超難関校になりますか?
・・・(笑)。
保護者の方は偏差値の上下に引っ張られがちですが、学校選びは偏差値だけで考えてはいけません。偏差値には現れない価値観ってものが本当に大事なんですよ。伝統校にはそこにしかない不変の価値があります。今回も世間的には難関校と分類されますが、聖光学院、海城よりも比較的入りやすい学校として東京都国立市にある桐朋を語ってみたいと思います。
桐朋も伝統校のひとつですが、確立したシステムに従って教育する聖光や海城とは逆路線。先生方の裁量が大きいんですね。先生方の個性や意見が尊重されるので、一人ひとりの教員が工夫しながら子どもたちを育てる学校です。
――なるほど。システマティックではないということですか?