まさかの「フライドチキンの皮だけ弁当」
「ドン・キホーテにはお客様の声を直に聞ける『マジボイス』というアプリがあります。賛否両方の意見を参考にし、改善を重ねた経緯があります。天津飯も容器にあんがたっぷり入っているため『あんがこぼれやすい』『電子レンジで中まで温まらない』といったご意見を参考に容器を2回にわたって変え、現在ではこぼれにくく温まりやすい設計になっています」
XなどSNSを中心に徐々に話題を呼ぶ偏愛めしだが、特に話題となったのが今年5月に発売された「フライドチキンの皮だけ弁当」だ。
スパイスで味付けされたたっぷりのフライドチキンの皮と白飯だけというシンプルかつインパクト十分の弁当は、発売3か月で6万食を完売する大ヒット商品に。現在でも偏愛めしの人気トップ3に入っている。
「あの弁当は開発者のメンバーの家庭での体験から生まれました。そのメンバーはフライドチキンの皮がとにかく好きで、ある時、家族分のフライドチキンの皮を先に食べてしまったそうなんです。奥さんが食べようとしたときに皮を剥がれた鶏肉だけが残っていて、メンバーはずいぶん怒られたそうです(笑) そこで『皮が好きな人のために、皮だけの弁当を作ろう』という思いから開発がスタートしました」
一方で開発には苦労もあったという。
「当初は皮だけ揚げるためパリパリになってしまい、フライドチキンの皮特有のふにゃっとした食感を再現するのには苦労しました。スパイスに関しても、我々が目指したのは某有名チェーンの味です。その味を超えることもなく、あえて独自性も出さずに同等の味をゴールとしました」