目上の人やお客様に
手柄をプレゼント

 打合せや会議などで、何かの新しいアイデアを出さなければいけない場面は、誰しも経験することでしょう。

 そんな場面で、あなたがアイデアを思いつき、それを伝えたところ、「いいアイデアだね」とメンバーから評価されたとします。そこにいるのが気の置けないメンバーだったら、何の気もつかわず、その賞賛を受けて問題ありません。

 しかし、気を付けなければいけないのは「目上の人間」がその場にいる場合です。アイデアは伝えなければ何も始まりませんし、評価されるかどうかも分かりませんので、そこで躊躇する必要はありません。注意するのは「評価されたとき」です。

 人によっては、「自分より目下の人間に、鋭いアイデアを出された」と劣等感を感じたり、「自分が言いたかったことを先に言われた」と悔しく思ったりして、素直にそれを認めにくいときもあるのです。ホントにいますよ、こんな人。

 そういう場合におすすめしたいのが、いい意見やアイデアを考えた「手柄」を、目上の方やお客様に渡してしまう方法です。「自分が考えたことは、○○さんのお考えの代弁です」「先ほど○○さんからいただいたヒントを活かしたものです」というように、相手の顔を立ててあげる言葉を添えるのです。主張しないと損をする場面でなければ、そうしたほうがいいでしょう。

書影『人・場・組織を回す力』(クロスメディア・パブリッシング)『人・場・組織を回す力』(クロスメディア・パブリッシング)
楠本和矢 著

「手柄を相手にプレゼントする」ときの言い回し例

○○○さんのお考えと同様です
●「ありがとう!でもこれは、○○さんが話してくれた内容の受け売りですよ」
●「恐縮です。ただ○○様のご見解に沿って取りまとめたものに過ぎません」

○○○さんからヒントを得ました
●「○○さんの話を聞いて、なるほど!と思って考えてみただけです」
●「これは○○様から、いろいろなご示唆をいただいたからこそ生まれたアイデアです」