実は糖尿病になると、血液中の過剰な糖を尿から排出しようとします。その際、多くのエネルギーが失われることになり、強い空腹感を感じるようになるのです。

 また糖尿病になったら、おやつはNGと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、食べる物を選べば問題はありません。そこで、糖尿病でも安心して食べられるおやつを紹介したいと思います。

 まず1つ目はミックスナッツです。ミックスナッツは一掴み25gぐらいの量であれば血糖値にはほとんど影響を与えません。ちなみに、ミックスナッツは糖質の吸収が緩やかな低GI(グライセミック・インデックス)食品です。GIとは「食品に含まれる糖質の吸収度合い」を示し、摂取2時間後までの血液中の糖濃度を測った数値になります。なお、GIが55以下の食品が低GI食品とされています。

 また、ミックスナッツはカロリーが高いから太りそうと思われる方がいるかもしれませんが、歯ごたえがあるので手軽に満腹感を得やすいおやつです。ただし、塩分の強い物は控え、素焼きや減塩の物を選ぶようにしましょう。

インスリン分泌を増やすポリフェノール
ダークチョコレートなら食べてOK

 2つ目はチーズです。チーズは低GIでありながら、食欲を抑えるタンパク質も含まれているのでおやつにもってこいです。チーズに飽きたらチータラもお勧めです。これらは塩分の多い物は控え、2つ、3つつまむ程度であれば血糖値に影響は与えません。

 3つ目はスルメになります。スルメはカロリーが低く、低GIでありながら、噛みごたえがあるため手軽に満腹感を得ることができます。

 4つ目はダークチョコレートになります。ダークチョコレートについては明確な定義がありませんが、カカオ70%以上の物を選ぶとよいでしょう。ダークチョコレートの原材料のカカオに含まれるポリフェノールにはインスリンの分泌を増やす作用があることが分かっています。

 ホワイトチョコレートとダークチョコレートの摂取後にそれぞれインスリン感受性を調べた研究では「ダークチョコレートがインスリン感受性(編集部注/インスリンの効き具合)を改善した」ことが分かっています。ダークチョコレートはわずかに甘味を感じることができるため、おやつに甘い物を食べないと気が済まない人でも満足感を得られるのでお勧めです。個包装のチョコレートを2つ、3つ食べるぐらいであれば血糖値には影響が出ないので試してみるとよいでしょう。