日頃の水分補給は炭酸水がおすすめ
コーヒーも血糖値を下げる効果

Q「糖尿病に良い飲み物を教えてください」

A「炭酸水は過食や間食を抑え、血糖値の上昇を防いでくれます。コーヒー、緑茶やルイボスティーなどにも糖尿病に良い成分が含まれていますが、摂取方法には注意してください」

 糖尿病の食事の注意点について解説しましたが、飲み物も要注意です。

 飲み物の選び方や摂取方法を間違えると、食べ物以上に血糖値を上げることにつながりかねません。そこで、まずは糖尿病にお勧めしたい飲み物(図20)について紹介したいと思います。

 私のクリニックで患者さんにお勧めしているのが、日頃の水分補給を炭酸水に変えることです。炭酸水を飲むと胃が膨らみ、脳の満腹中枢が刺激されるので過食や間食を抑え、血糖値の上昇を防いでくれます。

 もし、味がしない炭酸水を飲むのに飽きてきたら血糖降下作用のあるリンゴ酢を大さじ1杯加えてみるとよいでしょう。とはいえ、炭酸水は胃に刺激を与えます。そのため、一度に飲み干すのは避け、小まめに摂取するように心がけてください。

 みなさんの中にはコーヒーがお好きな方が多いと思いますが、コーヒーに含まれるポリフェノールも血糖値を下げる作用があることが分かっています。コーヒーと糖尿病の関連性を調べた研究では「コーヒー消費量が240ml/日以上の人はコーヒーを飲まない人よりも血糖値が低い」という報告があります。

カテキンが豊富な緑茶
糖尿病の発症を抑えるルイボスティー

 ただし、コーヒーが糖尿病に良いからと言って甘いカフェオレや砂糖入りの缶コーヒーを飲むのはお勧めできません。コーヒーはブラックあるいは砂糖なしで牛乳を少量加えるなどして飲むとよいでしょう。なお、コーヒーに含まれるカフェインには睡眠を妨げる作用があります。遅くとも就寝の4時間前までに飲むようにしてください。

 また、糖尿病にはお茶類もお勧めです。緑茶に豊富に含まれているカテキンには糖尿病を予防する作用があることが分かっています。研究によると、「緑茶を週1杯以下しか飲まない人と比べて1日6杯以上飲む人は糖尿病になるリスクが33%下がった」という報告があります。