同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い
今回紹介するのは、「表裏一体の法則」である。
【貧す人】革新をもたらすのは、自由である
【稼ぐ人】革新をもたらすのは、管理である
「革新(イノベーション)」を目標に掲げる会社が増えている。
多くの人は、多様性に富む人材を集めてフラットな職場をつくり、時間にとらわれない自由な働き方を取り入れれば、枠を越えた創造的なアイデアが生まれ、革新的なビジネスが始まると考えている。
革新を生み出すために不可欠なこと
確かに、これらは革新を生み出す上で大切だが、私の観察によれば、それ以上に絶対になくてはならない要件がある。
ズバリ「管理」だ。
エッ? と思われるかもしれない。
だが、管理なしの革新はないのだ。
私の例でいうと、締切がなければ本の原稿は一生書き終わらない。
さらにページ数の制限、読者からの期待といった「制約」を課せられて初めて「独創性」にチャレンジできる。
自分自身を時間的にも空間的にも、窮屈で孤独な書斎に閉じ込めるからこそ、その枠を越える爆発的なエネルギーがあふれ出てくるのだ。
「革新と管理」は、表裏一体という知識は、リーダーシップを取る人にとって、大きな価値を生む。
なぜなら、革新を強調する人と管理を重視する人同士は、水と油。
一般的には折り合いにくいが、革新と管理の緊張感を活かしながら仕事を進めていければ、顧客に商品を届ける際に、次のような説得力のあるキャッチコピーを使えるようになるからだ。
「当店の職人は、5年かかって初めて一人前」
「100回以上の検査をクリアしたものだけが、初めて商品となります」
管理が創造力を高める理由
このように、シビアな管理体制を顧客にアピールすることで、あなたの会社の信頼性は確実にアップする。
そうすると、社内では、顧客との約束を守るよう、様々な部署が協力し合うようになる。
【貧す人】は、社内の緊張を避けることで、中途半端な価値を顧客に届ける。
【稼ぐ人】は、社内の緊張すらも、顧客に価値を届けるために活用する。
こう考えると、管理体制の強化が革新性や創造性をつぶすのではない。
実は、顧客視点の欠如、顧客から乖離してしまうことこそ、革新性や創造性をつぶすのだ。
顧客にフォーカスしている限り、管理は創造力を高め続ける。
(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)