「相続対策」が必要とわかっていても、何をどうやればいいのか? どこから手をつければいいのか? わからない人は多いことと思います。『子どもに絶対、迷惑をかけたくない人のための たった5日で相続対策』(ダイヤモンド社刊)を出版した税理士の板倉京さんが、その手順や気を付けるべきポイントを本書より抜粋・編集して解説します。

【税理士が教える】「もらうと危険!」相続で困る不動産ワースト3とその解決法Photo: Adobe Stock

「困った不動産」を持っていたら?

不動産には、もらっても嬉しくない「困った不動産」もあります。困った不動産ベスト3は、①売れない・使えない②共有③登記変更していない、です。

売れない・使えない不動産は、はっきり言って相続したくない財産です。先日も「親の遺産に売れない空き家・山林・田畑があり、相続放棄も考えている」というご相談がありました。どんな不動産でも、相続税の対象になるし、固定資産税もかかります。要件を満たせば国に引き取ってもらえる制度もありますが、それも限定的で、20万~100万円を超える費用を負担しなければなりません。

もし、売れない・使えない不動産をお持ちなら、自分の代で片を付けてあげましょう。安い金額でもいいので、売却できるよう動き出してください

共有不動産も、もらうと困る不動産です。共有のまま放置すれば、相続のたびに共有者が増えていきます。共有相手が配偶者や相続する子本人であれば、ゆくゆくは単独所有になるのでよいのですが、それ以外の人との共有不動産は、自分の代で共有を解消してあげましょう

共有解消の方法は、売却や贈与・交換などがあります。やり方によっては多額な税金がかかる可能性もあるので、不動産に強い税理士に相談することをおすすめします

2024年4月から、相続登記が義務化されました。これから相続する不動産はもちろん、過去に相続した不動産も対象です。登記せずに放置すれば、罰則の対象となります。

これまでは、登記変更が義務化されていなかったので、何代にもわたって登記していないケースもあると思います。過去にさかのぼっての登記は手間も費用も大変です。これも、自分の代で処理してあげてください。費用はかかりますが、司法書士に相談することをおすすめします

*本記事は、板倉京著『子どもに絶対、迷惑をかけたくない人のための たった5日で相続対策』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成しています。