25年度成長率は1%程度、緩やかに回復
サービス産業が回復をけん引、政策金利0.75%まで引き上げ?
2025年の日本経済は緩やかに回復すると見込まれ、実質GDPは1%程度のプラス成長を予想している。
景気回復はサービス産業がけん引しており、多くの分野で経済活動が回復、関連企業の景況感もバブル期以来の高水準に達している(図表1)。その背景として、インバウンド需要の拡大やデジタル化の進展が挙げられる。
日本経済は自律的な景気回復メカニズムが作動し、「賃金・物価の好循環」実現への足取りが確かなものとなりつつある。経済が想定通りに回復すれば、日銀は金融政策の正常化を進め、政策金利(翌日物コールレート誘導目標)は足元の0.25%から25年中に0.75%まで引き上げられると予想する。
ただし、製造業の生産活動が低迷していることが懸念される。24年は自動車メーカーの不正認証問題などの影響があったとはいえ、鉱工業生産が20年代以降、減少を続ける「構造問題」は解消されておらず、25年もその影響が不安材料だ。
製造業の業績次第では、日本経済の「好循環」シナリオは崩れる。