米国では仕事をこなす能力が高まる一方だ。マサチューセッツ州ボストンでジムを経営するビック・ビクトロフさんは、2024年に営業担当者を1人も増やさず、既に働いていた2人のままで売上高を30%増加させた。増員の代わりに人工知能(AI)モデルを導入し、そこに社内文書や販売資料などの情報を詰め込んだ。すると、マーケティング計画や電子メールの下書き、ソーシャルメディアへの投稿など、以前は何時間もかかっていた作業がわずか数分で終わるようになった。「スリムで機敏、迅速な対応が可能になる」とビクトロフさんは言う。平均的労働者による1時間当たり生産量で測る米国の労働生産性は、上昇傾向にある。生産性の伸びが速ければ速いほど、経済成長も同じく加速する可能性があるため、これは重要なことだ。米経済の成功は生産性にかかっている。過去1世紀以上にわたって米経済が諸外国と比べ大きく成長してきた理由もそこにある。