電話中に「相手の言葉が聞き取りにくい」というとき。感じのいい人は何と言って乗り切る?
それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さんです。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか? この連載では、「顧客ロイヤルティ」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきたノウハウを、さらにわかりやすくお伝えします。本稿では、本書には入りきらなかった「気づかいのコツ」について紹介しましょう。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

電話中に「相手の言葉が聞き取りにくい」というとき。感じのいい人は何と言って乗り切る?Photo: Adobe Stock

電話についていけなくなる

 電話応対中にメモを取っていると、話がどんどん進み、自分がついていけなくなったと感じる瞬間、ありませんか?

 一言一句を逃さずメモに残そうと頑張るあまり、気づけば相手が何を言っているのか把握しきれなくなることもあるでしょう。

 特に、相手が早口だったり、専門用語ばかり使っていると、なおさら焦ってしまいますよね。

 ただ、実際には「聞き返すのが恥ずかしい」「何度も聞き返すのが申し訳ない」と思い、なかなかその場で確認できないと感じる方も多いようです。

 今日は、そんな人のために、感じのいい人がやっている、とっておきの確認方法を3つお伝えします。

1「早めの段階で聞き返す」

 相手の言葉が聞き取りにくい場合、早めに、

「お電話が遠いようです。もう一度お願いできますか?」
「電波が途中で途切れてしまいました」

 と伝えましょう。

 こうして聞こえづらい理由を伝えることで、相手も話を繰り返しやすくなります。

2「把握できたところまで示して確認する」

 ある程度聞き取れている場合には、

「商品番号のABC123まではお聞きしたのですが、その後の数字や記号をもう一度お願いできますか?」

 と把握できている部分を伝えながら聞き直します。

 相手もどこから再説明するべきかがわかりやすくなり、スムーズなやり取りが期待できます。

3「要約して確認する」

 メモを取りながら話が進んでしまったときには、

「一度、ここまでのお話を整理させていただきますと…」

 と要約して確認するのも一つの方法です。

 相手に「しっかり聞いている」と伝わり、自分でもポイントを整理できます。

 さらに、電話の冒頭で「大事なお話なので、メモを取りながらうかがいます」と一言添えておくと、話が詰まりがちになったら、相手もゆっくり話してくれたりします。

 いずれも、私の周りの「感じのいい人たち」が実践している、上手な伝え方です。

 感じのいい人は、「恥ずかしい」とか「申し訳ない」と思うよりも、正確に聞くことを重要視しています

 だからこそ、相手に感じよく確認する方法を知っているのです。ぜひ、皆さんも試してみてくださいね。

(本記事は、『気づかいの壁』の著者・川原礼子氏が特別に書き下ろしたものです。)

川原礼子(かわはら・れいこ)
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)が初の著書となる。