「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が発売された。
小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」「一生使える知識やマナーが学べる」など多くの口コミが寄せられている。
本書では、生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅している。本記事では、その中から親が教えておくべきおやくそくを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「いい子なのに損をする子ども」の特徴・ベスト1Photo: Adobe Stock

「手のかからない子」が心配な理由

「実は、一番心配なのは問題を起こす子じゃないんですよ」

少年サッカークラブのコーチをしている知人がこんなことを話していた。
そのクラブにいる、ある男の子のはなしを聞いた。

その子は、練習もまじめに取り組む。あいさつもきちんとする。コーチの話もよく聞く。
親から見ても、「手のかからない子」だったそうだ。

ところが、ある時期から様子が変わった。
試合になるとボールを受けたがらない。声も出ない。以前より明らかに消極的になった。

心配したコーチが話を聞いてみると、理由がわかった。

練習試合でミスをするたびに、チームで一番上手な子から強い口調で言われていたのだ。
「だからそっちじゃないって!」「なんで走らないの?」「またミスしたじゃん」

相手の子に悪気はなかったのかもしれない。
勝ちたい気持ちが強かっただけなのだろう。

だが、その子にとっては、それがずっと苦しかった。
試合になるたびに、「また怒られるかもしれない」そう思うようになり、ボールをもらうことすら怖くなっていたという。

それでも、その子は親にもコーチにも何も言わなかった。

「みんな頑張っているから」「これくらい我慢しなきゃと思ったから」
そう答えたそうだ。

コーチはこう言っていた。
「困ったときに相談できる子のほうが、結果的に伸びるんです」

うまくいかないこと。苦しいこと。自分一人では解決できないこと。
そういうときに大人を頼れる子は、立て直しが早い。

一方で、いい子ほど、迷惑をかけたくない。心配をかけたくない。自分で何とかしなきゃと思ってしまう。

だからこそ、子どもには「頑張ること」だけでなく、「困ったら相談していい」ということも教えるべきなのだ。

困ったら人を頼ろう

小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを学べる本まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、「こまっていることをつたえられるようになろう」という項目がある。

「いい子なのに損をする子ども」の特徴・ベスト1『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用
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・「よく わかりません。 もういちど せつめい してください。」
・「おなかが いたいです。 ほけんしつに いっても いいですか?」
・「トイレに いきたいです。」
・「ひとりだと むずかしいです。 てつだって ほしいです。」

(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用)

保護者向けのアドバイスには、「もうお兄さん、お姉さんだから自分でやりなさい、としょっちゅう言われている子ほど、手を貸してもらうことに後ろめたさを感じます。」とある。

「いい子」であることは素晴らしい。
しかし、「一人で我慢できる子」が強いわけではない。

本当に大切なのは、困ったときに「助けて」と言えることだ。
人は誰でも、一人では乗り越えられないことがある。

そんなときに周囲を頼れる子は、傷ついても立ち直りやすい。

だからこそ、大人が子どもに教えたいのは、「頑張りなさい」だけではなく、
「困ったら相談していいんだよ」という安心感なのかもしれない。