1月20日にトランプ政権発足
関税引き上げ、早々に実施の可能性
2025年1月20日、米大統領選で当選したトランプ氏の新政権が発足する。
大統領選と同時に行われた議会選挙でも、共和党は、上院多数派を奪還したほか(53対47)、下院でも引き続き多数派を維持(220対215)し、重要法案を成立させる上でカギの一つとなる、いわゆる、“トリプルレッド”(赤がシンボルカラーの共和党がホワイトハウス、議会上下院を支配すること)となり、トランプ2次政権は2年後の中間選挙までは強固な政治基盤の下で政策運営が行われるとみていいだろう。
注目されるのは、選挙戦で掲げられた“過激な公約”がどこまで実施されるかだが、とりわけ関税引き上げや大型減税などの通商、財政政策は米国だけでなく世界経済にも影響が大きい。
財務長官にはウォール街でキャリアを積んだ投資家スコット・ベッセント氏、通商代表部(USTR)代表には保護貿易論者とされるジェミソン・グリア氏がそれぞれ指名され、政権発足後、早々に打ち出されると予想されるのが関税引き上げだ。
すでに11月下旬に、トランプ氏はSNSでカナダ・メキシコへの25%関税と中国への10%追加関税実施の意向を早々と表明している。
トランプ関税政策には対外交渉などを有利に進める「ディール(取引)」手段との見方も少なくないが、筆者の見方は違う。
「トランプノミクス2.0」推進の軸と考えられ、税率や対象国など少し形を変えるかもしれないが、「本気度」は強いとみるべきだ。