ロサンゼルスの山火事に包囲されたJ・ポール・ゲティ美術館は、奇跡に近い防災の象徴になりつつある。舞台裏で守りに当たっているのは同美術館の小さな集団だ。45人ほどのスタッフが24時間態勢のシフトに組み込まれ、ゲティ美術館の二つの施設を取り巻く数十の丘の頂上に散らばり、パトロールしている。二つの施設のうち古い方はパシフィック・パリセーズ地区にある「ゲティ・ビラ」で、古代ローマ様式のカントリーハウスを思わせるよう設計された空間に古美術品が並べられている。新しい方はブレントウッド地区にある白い石造りの「ゲティ・センター」で、ビンセント・ファン・ゴッホの「アイリス」が展示されている。ゲティ美術館によると、スタッフは消火器を手に、足元の地面や頭上に茂るオークの木々を調べて回る。残り火を探しているのだ。
ロス山火事、ゲティ美術館が無事なわけ
火の手が2メートル近くまで迫ったゲティ・ビラが延焼を免れている背景には、強力な防災体制がある
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