グーグル自慢のAI「ジェミニ」、ユーザー獲得が課題Photo:SOPA Images/gettyimages

 米グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は、同社の人工知能(AI)技術は市場で最も優れていると考えている。現在課題となっているのは、消費者の関心を引き付けることだ。

 ピチャイ氏はグーグルのAI技術「Gemini(ジェミニ)」について最近、能力で競合を上回ったと確信しており、ジェミニを基盤とするチャットボット(自動会話プログラム)を2025年末までに5億人に利用してもらいたいと考えていると従業員に伝えた。事情に詳しい関係者が明らかにした。

 グーグルはジェミニの現在の利用者数を明らかにしていない。一方、市場で先行する米オープンAIのチャットボット「チャットGPT」は週間利用者数が約3億人に上る。「iPhone(アイフォーン)」の無料アプリダウンロードランキングでは、15日時点でジェミニは54位、チャットGPTは4位だった。

 AIに関してグーグルは先駆企業の一角であったにもかかわらず、2022年後半のチャットGPTの登場では意表を突かれた。グーグルは似たようなチャットボットの開発に長年取り組んでいた。同社はそれ以来、追いつこうと躍起になっている。

 ジェミニはまだ本格的な収益源ではないものの、AIの最先端に立ち続けるというグーグルの取り組みの中核を担っている。AIはすでに同社の柱である検索広告事業に変化をもたらし始めている。