――御社の事業内容について教えてください。
濱崎 2023年3月に、大学の同級生だった田上冬真と2人で創業した会社で、クライアントのECサイトの構築や運営支援、PR事業などを手がけています。その事業とは別に、24年3月末に「はなれじま広報部」という、離島にフォーカスしたWebメディアを開設しました。
――なぜ離島にフォーカスを?
濱崎 発端は、せっかく会社をつくったのだから、ライターの私とWebエンジニアの田上が連携できるプロジェクトを、と考えたこと。PRとECの知識を掛け合わせるとしたら何がよいかと探していて行き着いたのが、「離島」でした。
田上冬真氏(左)1998年生まれ、和歌山県出身。関西学院大学卒業後、OA機器販売会社の営業として勤務する一方、Webエンジニアとして活動。2023年、濱崎氏と共に、アトリアを設立し、24年「はなれじま広報部」を立ち上げる。
離島を選んだ理由の一つは、私が離島好きだったことです。祖母が鹿児島県の長島に住んでいて、子どもの頃は年に1度は訪れていました。
長島は、春は山菜採り、夏は海水浴と、海も山も楽しめるのがすごく面白かった。あと長島の赤土が上質だそうで、そこで育つジャガイモが絶品なんですよ。
そうした原体験もあってか、大学時代は観光地理学を専攻し、瀬戸内海の島々の「観光の衰退」を研究しました。瀬戸大橋の直下にいくつか島があり、そこにリゾート施設があったのですが、今では廃虚になっています。
アクセスがよくて魅力的な場所なのに、なぜ衰退してしまったのか。その理由を突き詰めていたので、島の衰退の問題は社会人になってからも頭の片隅にありました。それなら離島をテーマにしたメディアを通じて、島を応援していこうと考えたのです。