【知らないと社会人失格】上司と一緒に外出中、バッタリ取引先の方と会ったとき、「どちらから紹介すればいいんだっけ?」
それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さんです。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか? この連載では、「顧客ロイヤルティ」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきたノウハウを、さらにわかりやすくお伝えします。本稿では、本書には入りきらなかった「気づかいのコツ」について紹介しましょう。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

【知らないと社会人失格】上司と一緒に外出中、バッタリ取引先の方と会ったとき、「どちらから紹介すればいいんだっけ?」Photo: Adobe Stock

「紹介の順番」

 ビジネスシーンで「こういうとき、どうするんだっけ?」と迷う瞬間、誰にでもありますよね。

 たとえば、上司と一緒に外出中、ばったり取引先の方と会ったとき。
「どちらから紹介すればいいんだっけ?」と新入社員研修で習ったことを必死に思い出した経験、ありませんか?

 一般的なルールとしては、「自分の上司」を先に「取引先の方」に紹介し、その後、「取引先の方」を「上司」に紹介するのが適切です。

 具体的には、次の順序で行います。

1. 取引先に上司を紹介する
 まず、取引先の方(田中さま)に向かって、「田中さま、ご紹介させていただきます。こちら、私の上司の佐藤です」と伝えます。

2. 上司に取引先を紹介する
 次に、上司(佐藤さん)に対して、「佐藤さん、こちらは◯◯社の田中さまです」と取引先を紹介します。

 この順番の理由は、「取引先の田中さま」が一番の優先順位にあるからです。
 田中さまに先に自分の上司を紹介することで、田中さまが「誰と話しているのか」を知り、安心して会話に参加できるようにするのです。

 逆に、先に田中さまを上司に紹介してしまうと、「知らない人に紹介されている」と田中さまが感じ、不快感を抱くかもしれません。

 もしも紹介の順番がわからなくなったら、「まずは、名乗る」と覚えておきましょう。
 お客様や目上の人の前では、まず自分から名乗りますよね。

 それと同じで、取引先に対しても「まずは、自分側から紹介する」と考えれば、迷わないと思います。

「上座」はわかる?

 また、外出中にふと「どちらが上座だっけ?」と迷う場面もありますよね。
 たとえばエスカレーターや階段での移動時には、どの位置に立てばよいのでしょうか。

 答えは、上りでも下りでも、「上が上座、下が下座」です。

 たとえば、階段で下りる場合、目上の方よりも先に下りて「下で待つ」のが適切です。
 これは、万が一上にいる方が転倒した場合、下の人が支えられるようにするための気づかいでもあります。

 エスカレーターや階段では、「下の位置が自分の立つ場所」と覚えておきましょう。もうこれで、スマートに行動できますよ。

(本記事は、『気づかいの壁』の著者・川原礼子氏が特別に書き下ろしたものです。)

川原礼子(かわはら・れいこ)
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)が初の著書となる。