イタリアで過ごす休暇は冒険をしたい。そう思ったラミー・アワッドさん(35)が行き先に選んだのがフォッサだった。同国中央部に位置するこの町は2009年の地震後に住む人がいなくなった。しかし同行した友人2人を含むアワッドさん一行にとって、物事はすぐに思ったようには進まなくなった。アワッドさんたちは全地球測位システム(GPS)の指示に従った結果、同じ道を行ったり来たりすることになり、フォッサにたどり着くのに3日近くかかった。夜遅くにようやく到着して落ち着こうとしたところ、奇妙な声が聞こえてきた。本当に聞こえたのか、想像の産物かは分からなかったが、誰もテントから出て調べたいとは思わなかった。朝はドローンの音で目が覚めた。一行はその後3日間、ドローンに追いかけられた。