絶好調の「渋渋」注目の「豊島岡」英語資格
すでに首都圏の2月入試は目前という状況にあるので、27日までの出願状況も見ながら、2024年受験者動向を主眼に、2月入試の構造をまず把握しておきたい。1日午前は、男女合わせて5万人ほどが例年受験する。
把握できている限りの24年女子受験者数だが、2日午前1万2063人、2日午後8293(男子6413)人、3日午前1万3106人、3日午後3651(男子2932)人、4日午前5358人、4日午後1251(男子979)人、5日午前2927(男子5007)人、5日午後324人となっている。総じて男子受験生の方が数は多いのだが、2日・3日の午後入試は男子よりも女子が多く、5日から女子受験生はガタッと減っていく。女子の短期決戦志向がうかがえる。
まずは2日午前から見ていこう。24年の受験者数をランキングすると、1位豊島岡女子学園が904人とずぬけた数の受験生を集めている。150近い学校が入試を行う中で、上位10校(うち女子校9校)で受験者数の4割を占めている。ランク順に情勢を見ていこう。
2日午前のAランクの難関校は6校ある。三つの女子校はいずれも緩和傾向にある。この日最多の904人が受験、2.32倍(23年2.39倍、22年2.41倍)の豊島岡女子学園[1回]([ ]内は入試名。以下同じ)には、例年1日難関女子校受験生が押し寄せる。現状では、志望者数同様、出願状況も微減となっている。
25年に[1回算数・英語資格]が若干名の募集で新設された。「英語入試元年」と言ってもいいくらい、中堅・中位校での導入事例が増えているが、帰国生入試を除いて、英語を掲げた入試の難関・上位校での先駆となった。こちらの出願はすでに締め切られたが、三つの入試回を合わせると300人近い出願があったようで、何人の合格者を出すのか注目される。
次いで受験生が多いのは吉祥女子[2回]で、762人が受けて3.28倍(23年3.35倍、22年3.07倍)だった。志望者数も出願状況も微減で、25年はいささか倍率が緩和しそうだ。505人で3.1倍(23年3.11倍、22年3.43倍)の洗足学園[2回]は、志望者数は1割半減で、出願状況も1割程度の減少ペースであり、25年は3倍を割れることになりそうだ。
共学校では、渋谷教育学園渋谷[2回]が287人で4.04倍(23年4.61倍、22年4.73倍)と緩和気味だが高めの倍率が続く。志望者数は1割半増、出願状況も1割程度の増加ペースで、25年はいささかハードルが高まるだろう。千葉のトップ校である渋谷教育学園幕張[二次]は、172人が受けて11.47倍(23年9.63倍、22年8.61倍)と年々ハードルは上がる一方だった。1月に実施された[一次]の出願者数は、男子が9%減に対して、女子は5%増と対照的だった。[二次]の女子志望者数は1割弱減で、25年に10倍を割れるか、注目される。
神奈川には、241人が受けて2.11倍(23年2.11倍、22年2.49倍)の慶應義塾湘南藤沢[1次]がある。約70人の募集人員に対して、4日の2次を通過した合格者(実倍率)は89人(2倍)だった。志望者数は1割弱増となっている。同じ入試回でBランクの[帰国生1次]も行われる。こちらは44人が受けて1.47倍だったが、志望者数は4割減で、25年の1次試験はさらに緩和するかもしれない。