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競いたいなら過去の自分と競いましょう
世の中には競争心の強い人とそうでない人がいます。私はどちらかというと競争心が乏しい方で、人と争ったり、競争の土俵に立つことを避けてきました。しかし、競争心の強い人にはそれなりの良さがあります。
競争心が強い人は、どうしても他人と比べがちです。ライバルを作ったり、自分の立ち位置を意識しすぎたりして、落ち着かなくなってしまうことがあります。それ自体が悪いわけではありませんが、注意すべきなのは、他人との比較によってスランプに陥りやすくなることです。
他人との比較が生む不安と焦り
競争心が強い人ほど、他人との比較に一喜一憂しやすくなります。
たとえば、「自分はこんなに頑張っているのに、思うような結果が出ない」と落ち込んでしまうことがあるでしょう。負けず嫌いな人ほど、その落ち込みは深くなります。だからこそ、競争する相手は過去の自分にするのが一番です。
過去の自分と競うメリット
過去の自分と競争することで、ポジティブな成長を実感できます。「以前はできなかったことが、今はできるようになった」と気づけば、自信につながります。また、焦りや不安を感じにくくなり、自分のペースで前に進むことができるのです。
しかし、過去の自分と競うことを忘れ、他人とばかり比較し始めると、次第に焦りや不安が増していきます。比較する対象を間違えると、自分の本来のスタイルを見失ってしまうのです。
自分軸で成長を目指す
スポーツ選手でも、過去の自分と向き合いながら記録を伸ばしている人は多いはずです。「自分の弱点はここだから、改善すればこうなる」と、冷静に自己分析をすることで成長していきます。仕事でも同じで、昨日の自分より今日の自分が少しでも成長していれば、それは前進している証拠です。
しかし、他人と比較してしまうと、自分のスタイルがわからなくなり、焦りや不安が生じてしまいます。特に競争心が強い人や負けず嫌いな人は、意識的に「過去の自分」との比較にシフトすることが大切です。
過去の自分と向き合うことで得られるもの
過去の自分と競うことで、不安や苛立ちが減り、モチベーションを維持しやすくなります。自分のペースで成長しながら、着実に前進することができるのです。
競争心が強い人ほど、他人と比べる癖がついているかもしれません。でも、過去の自分と競うことで、自分の成長を素直に実感し、余計な不安を抱えずに前に進めるようになります。ぜひ、自分自身との競争を意識してみてください。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。