ガソリン補助金が1月16日から縮小する影響で、レギュラーガソリンの平均価格は1リットル185円程度に上昇しそうです。消費者の負担が大きくなる中で、電気自動車(EV)という選択肢は「あり」でしょうか?現状、多くの人が「なし」と言いそうですが、地方では事情が違ってきます。ガソリンスタンドの減少と合わせて考えます。(モータージャーナリスト/安全運転インストラクター 諸星陽一)
「近頃はずいぶんガソリンスタンドが減ったなあ」と感じている人も多いでしょう。ガソリンスタンドの減少は著しく、1994年度末に6万421カ所あったのが、23年度末では2万7414カ所と半分以下に減っています(経済産業省調べ)。
筆者は都内在住ですが、クルマに乗り始めた40年ほど前は徒歩10分圏内に6カ所くらいのガソリンスタンドがありました。が、今は一番近くても徒歩15分かかる場所に一つあるだけ。
地方ではガソリンスタンドの減少がもっと深刻です。地域によっては自宅から15km以上も離れた場所に給油に行く必要があることから、「ガソリンスタンド過疎」などとも言われます。燃費が15km/リットルのクルマの場合、給油のためだけに往復すると2リットルのガソリンを消費してしまい、まさに本末転倒です。
かく言う筆者も、普段使いしているガソリンスタンドが自宅から6km離れているので、通りがけに寄れなかった時はこのような「ガソリンの無駄遣い」をしていることがよくあります。
ガソリンスタンドは今後も減る一方でしょう。そして、昨今のガソリン高騰も消費者にとって大きな負担です。それでは、ガソリンを燃料にしない電気自動車(EV)という選択肢は、ありでしょうか?
「EVは充電に時間が掛かるから不便」という声はよく聞きます。また、1回の充電で走れる距離が短いのが不安という声も多くあります。確かに、特に中長距離の運転をする人にとって、30分の急速充電で100~200km走れても、エンジン車ならば5分もかからない給油でもっと走れる、と思うのは当然です。なお、筆者はEVの宣伝に加担する気は全くありません。
しかし、普通のEVとはちょっと事情が異なるクルマが存在します。現状の電池の性能を考えると、EVとのマッチングが最も良いクルマです。特にガソリンスタンド過疎地の場合は、最高のモデルとなり得ます。どんなクルマだと思いますか?