笑顔のビジネスパーソン”写真はイメージです Photo:PIXTA

これまで何十年も会社勤めをしてきた人は、たとえ定年退職が目前に迫っていても、退職後に「居場所や人間関係はどう変わるのか」「お金は足りるのか」「肩書や名誉、日々やることがなくなった時、自分はどうなるのだろう」ということがイメージできないのではないでしょうか。2021年にFIREで会社を辞めて一足先に“疑似定年退職”をした筆者は、会社を辞めたあとどんなことを考え、行動していたのか。本記事では、実際に筆者が「よく聞かれること」を例に挙げ、Q&A形式で「定年退職後の生活」を考えてみようと思います。(作家・講演家 寺澤伸洋)

会社を辞める際の不安とどう折り合いをつける?

 長らく会社勤めをしてきて、50代になり、急に「そういえば、定年までもう少しなんだよなぁ」と不安になっている方はいないでしょうか。私は現在47歳。灘高校・東京大学卒、日系企業を経て「GAFA」日本法人の1社で部長職を経験後、2021年にFIRE達成、会社を辞めました。いわば「40代で一足先に、擬似的に定年退職をしてしまった」ことになります。

 私は実際に私も早期退職の前後で生活や考え方が大きく変わりましたし、多くの方から質問をいただきます。そこで今回はQ&A形式でいただいた質問に答えながら、特に人間関係や肩書について私の環境/感情/価値観がどのように変化したかについてお話していきます。

Q 会社を辞める際の不安をどのように振り払いましたか
私は大学を卒業して就職してからずっと同じ会社で働いており、一度も仕事に空白期間があったことがありません。ですから定年退職後のことを考えると人間関係の変化や肩書の変化など不安ばかりが募ります。寺澤さんは、どのようにその不安を払拭されましたか。

 ご質問される気持ち、よく分かります。次がない退職と同時に襲ってくる不安感というのは、辞めてみないと本当に分からないものです。