教えることや解説することに秀でた才能を持つ人もいれば、専門家として特定の分野に精通している人や、物品の目利きができる人もいます。才能(適性)には、さまざまな切り口があるのです。
「自分が得意なこと」や、「やっていて楽しく、つい夢中になってしまうこと」の中に、ビジネスチャンスが潜んでいます。
「自分は信用ゼロの人間」と
自覚するのが起業家の第一歩
起業家は仕事そのものを生み出す存在です。一方、会社員は与えられた条件下でその仕事を遂行し、最適解を出す存在です。もちろん、会社員であっても常にアップデートや工夫、改善が求められますが、基本的には事業や仕事そのものを創造することは求められていません。
言い換えれば、起業家が「0を1にする」存在であれば、会社員は「1を10にする」存在です。「社員として優秀だった」「役員まで出世した」という人であっても、起業してうまくいかないことがあるのはそのためです。鍛えてきた筋肉が違うのですから、それは仕方のないことです。
このような違いは、「会社員思考VS起業家思考」という形で対立するものとして語られることが多いのですが、実際にはどちらが良い悪いというものではありません。どちらも必要です。
仮にチームが全員起業家思考の人間ばかりだったら、各々が好き勝手に意思決定をし、互いに指示を出し合ってバラバラに動くような状態になりかねません。そんな組織が成果を出すことは難しいでしょう。これから起業を目指すのであれば、まずは「起業家思考」に切り替える必要があります。
そして、自ら積極的に変わりたいのであれば、最初に意識すべきことは「自分は信用ゼロの人間である」という認識を持つことです。
私たちは、信用のない会社や商品、人にはお金を払いたくないものです。全てはこの基本から始まると言っても過言ではなく、お金よりも先に、信用を得るための活動が必要になります。そして、この信用を積み重ねる過程こそが起業活動の核心であり、それを実践していくうちに、自然と「起業家思考」へと切り替わっていくのです。
あなたは人に信用してもらうために、何ができますか?