握手をするビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

40歳からの起業を後押しする本連載前回に続き、今回のテーマも「自己資金について」。自分で用意できるお金には限りがあります。限られた自己資金でいかに長く生き延びるか、そして自己資金があるうちに「ここまではやるべき」というゴールを知っておくことはとても重要です。会社を立ち上げ、最初のプロダクトを世に出し、そして本格的な資金調達を行うまでの計画や、なんと自己資金ゼロでも自身のビジネスプランを実現するインキュベーターや、ビジネスを加速させるスタートアップ・アクセラレーターで事業を加速する方法についても説明していこうと思います。(アンパサンドCEO 後藤康成)

自己資金でどれだけの期間生き延びられるかできるかを考える

 ビジネスのアイデアを思いついて、大事な仲間を集めて、お金の管理や税金について学ぶという説明をしてきました。次にやることは、自分のお金でどれくらいの時間ビジネスを続けられるか、つまり生き延びられるかの試算です。

 長い期間生き延びるためには、今の仕事を辞めずに給料をもらいつつ、ビジネスの計画を進めるのが賢い選択です。これで、だいぶ出費を減らすことができます。しかし、チームのメンバー全員にフルタイムで取り組んでもらうとなると、給料を払わなければいけなくなるので、最初はパートタイムで副業的に協力してもらうことをおすすめします。

 例えば、自分のお金300万円でビジネスを始めるとします。銀行に300万円あって、それがなくなったらビジネスはおしまいです。できるだけ長く生き延びる方法を試算してみましょう。

 最初の3カ月は普通に自分の仕事をしながら、新規ビジネスの開発は副業として空いた時間にやります。この間、自分には給料は払いません。しかし、エンジニアのチームメンバーには副業で開発を手伝ってもらい、彼(ら)に月に20万円払います。開発ツールや必要なシステムのコストは月に5万円見込み。そうすると、5カ月で合計125万円使いますが、その結果、動くプロダクトができあがります。これが生き延びるための最初のステップです。