
起業家として、自らの思い描く事業を始めてみたいと考える一方で「自分にできるのだろうか…」と、不安を抱える人も多いはず。25年以上ものあいだ「起業家志望の会社員」をサポートしてきた新井 一氏によると、成功する起業家にはある共通点が存在するという。※本稿は、新井 一氏『起業 神100則』(総合法令出版)の一部を抜粋・編集したものです。
成功を手にする起業家たちは
才能を生かす力に長けている
私はこれまでに延べ6万人以上の「起業したい会社員」と接してきましたが、成功する人には共通点があることを知っています。それは、うまくいく人ほど、「新しいことに挑戦するのではなく、自分の才能(適性)を生かしている」ということです。
「才能」とは、努力して身につけたスキルのことではありません。もともと上手で、無理せずともできてしまうこと。そして、続けるうちにどんどん上達し、何よりもそれ自体が楽しく感じられることです。
マインドフルネス瞑想指導者であり、森林療法士としても活躍している枡田智さんという方がいます。彼は『瞑想メソッドで始めるメンタル強化法 もう“左脳”に振り回されない』(大和出版)という本の著者なのですが、会社員時代はITエンジニアとして活躍していました。
エンジニアとして鍛えられたロジカルシンキングや言語化力などのスキルをベースに精神世界を分かりやすく解説し、今では起業家として成功を収めています。彼の成功は、自分がもともと持っている才能を最大限に生かした結果です。
しかし、実はそんな枡田さんが瞑想と出会ったのは、わずか3~4年ほど前のこと。にもかかわらず、瞑想歴20年以上のベテランたちに対しても、堂々と瞑想を教えています。
普通なら、年月だけで考えれば初心者扱いされてもおかしくないはず。それでもベテランたちに教え、瞑想を知りたいと考える多くの人々に影響を与えているのは一体なぜなのでしょう?
これこそ、多くの成功者に共通する「自らの強みを最大限に生かす力」です。
枡田さんのビジネスの軸は、彼の持つロジカルシンキング、言語化力、伝える力です。つまり「教えることがとてもうまい」という才能に、深く興味を持ち共感している「瞑想」を掛け合わせたのです。
彼の「精神世界を理系脳で解説できる強み」は、ブログはもちろん、本の執筆といった「書く」という行為でも存分に発揮されています。前述の著書は配本後すぐに増刷が決まり、電子書籍でも驚異的なダウンロード数を記録しています。