「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字に弱いと損する理由」について紹介したい。
「数字が苦手」なことにメリットはない
みなさんの職場には「数字に強い人」がいるでしょうか? また、あなたは数字に強いでしょうか。自信を持って「数字に強い!」という人も時々いますよね。ただ「数字は苦手…」という人の多くは、なかなか言い出すことは難しいかもしれません。
しかし、数字に弱いことは残念ながらビジネスにおいては何のメリットもありません。これは残念ながら事実です。今回はその理由を説明します。
ビジネスにおける数字に関連する格言
ビジネスにおける数字に関連する格言を一つ紹介しましょう。それは「GIGO(ギーゴ)」。これは「ゴミを入れれば、ゴミが出てくる(Garbage In, Garbage Out)」の略語です。実は、このような事例が結構見逃されているのです。
「数字に弱いこと」のデメリットが何かピンとこない人のために、次の例を紹介しましょう。
たとえばExcelを使って「マッサージサービス利用者の平均年齢」を算出したら、「95歳」と表示されたとします。年齢、かなり高いようですが……。実は、これ、GIGOになっているかもしれないわけです。
Excelで「年齢」の列に各データを手で入力するとき、本来は、
と入力すべきところ、途中「Enterキー」を押し忘れて、セルに
と入力してしまったらどうなるでしょうか。平均値はグッと上がってしまいます。しかし、大量のデータを管理しているとそのおかしな年齢に気づかないこともあります。その「おかしいデータ」で平均を取ると、意味のない値が出てしまいますね。
ここで、「このデータはおかしい」と気づけるかどうかが重要です。平均が95歳ならさすがに気づけるかもしれませんが、「73歳」みたいな微妙にありそうな数字だと気づけないかもしれませんね。残念ながら、「数字が苦手な人」は気づけません。なぜなら、出てきた計算結果にピンときていないからです。
数字に弱い人は職場でもこういったミスを無意識にしてしまっていることが多いです。今からでもいいので、数字力を身に着けておくとよいでしょう。
(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)