「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【売上180万円→184万円にアップ。何%増?】瞬時に答えられない人は出世しない。“一流”はどう考える?Photo: Adobe Stock

「%」の計算、どうしていますか?

【問題】180万円から184万円に売り上げアップ。何%増?

これ、暗算で計算しているという人はどれくらいいるでしょうか?

おそらくほとんどの人がすぐに電卓を取り出して、計算をしているのではないかと思います。

あなたの職場にもこういうときにパッと答えを出せる「数字に強い人」がいるのではないかと思います。実はこの「数字に強い人」は、ただ計算が得意なのではありません。暗算や計算を始める前に、まず数字を「扱いやすく」変えて、てなずけているのです。

今回は、「数字がこわい」がなくなる方法の1つ、「1%10%計算法」をやってみましょう。

「1%」を基準として先に求めよう

この計算は、まず「1%」「10%」を基準として求める計算法です。

180万の10% → 18万
180万の1% → 1.8万

ここまではわかりやすいと思います。それぞれケタを動かすだけで求められるので、まだ計算しているという感覚もないかもしれませんね。

ここで今回の問題を見てみましょう。今回は180万円の売上が184万円に増えたのでしたね。
では、「何万円増えたのか」求めてみましょう。

184-180=4(万円)

つまり、4万円増えたわけです。

次が一番重要です。先ほど求めたこちらを思い出してください。

180万の1% → 1.8万

つまり、【1%分=1.8万円】でしたね。そして今回増加した売上額は【4万円】でした。

ということは、【4万円】の中に、今回求めた【1%分=1.8万円】【2個とちょっと】入りそうな気がしませんか?

ちなみに【2%分】は倍するだけなので、【3.6万円】ですね。

もうわかりましたか? つまり、4万円の売上増加はだいたい、「2%強」の増加なのです。

3.6万円→2%
4万円→2%強

いかがでしょうか。ざっくりかもしれませんが、電卓を使わなくても、ここまでの計算が一瞬でできました。

身の回りにいる数字に強い人も(中には細かい計算までできる人もいますが)、まずはざっくり数字をつかむために、このようなワザを使っているのです。

数字に強い人は、計算する前に「一歩立ち止まる」

このように、数字に強い人は、細かい数字を電卓で求めようとする前に、

①まずはざっくり方向性をつかみ、
計算が面倒になりそうになったら、できるだけカンタンな計算になるように数字を調整してしまう

のです。数字に強い一流はこういった柔軟な考え方をすることができる人です。逆に言えば、「数字に弱い人」は目の前にある面倒な数字に何の工夫もせずにそのまま立ち向かって撃沈してしまいがちです。

この「1%計算法」は他の計算法と組み合わせて使うと、さらに計算の幅が広がります。数字を扱う前に、まず一歩立ち止まることを心がけてみるとよいでしょう。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)