25年前に始まった中国からの輸入品急増は米国経済を根本的に変えてしまった。製造業のコミュニティーを一変させ、労働者とその家族に打撃を与えた。グローバル化への不満は米国の政治を変え、ドナルド・トランプ氏を大統領へと押し上げた。新たな研究から、「チャイナ・ショック」が実際に米国全体へどのように波及したかが初めて明らかになり、特に中西部の一部と南東部の製造業コミュニティーが大きな打撃を受けたことが分かった。コロナ前の数年間に起きていた顕著な変化も示された。打撃を受けた多くの地域は回復した。だが、打撃を受けた人たちは回復しなかった。マサチューセッツ工科大学(MIT)のデービッド・オーター教授(経済学)は「発見したことに非常に驚いた。予想とはかけ離れていた」と話す。オーター氏らエコノミスト5人による研究は3日、全米経済研究所(NBER)の研究成果(ワーキングペーパー)として公表された。
「チャイナ・ショック」襲った米製造業の町、労働者は回復せず
安価な中国製品の大波に打撃を受けたコミュニティーは小売業や飲食業に助けられたが、元工場労働者には恩恵届かず
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