米司法省は、麻薬カルテルとの戦いに同省のリソースを充てる構えだ。企業汚職対策やロシアの新興財閥(オリガルヒ)の取り締まりに注力してきた従来の方針から転換する。新たに就任したパム・ボンディ司法長官が明らかにした。5日に就任宣誓したボンディ氏は、司法省の戦略を巡る抜本改革を概説した一連の覚書の中で、海外腐敗行為防止法(FCPA)へのアプローチを変更すると表明した。FCPAの捜査ではカルテルや国際犯罪組織に関する事案を優先し、焦点をその他の事案から切り替えるとした。また、バイデン前政権下でオリガルヒに対する制裁を執行するために設置したタスクフォース「クレプトキャプチャー」は、他の収奪政治(クレプトクラシー)への取り組みとともに解散するとした。これらの取り組みに充てられていたリソースは、カルテルや国際犯罪組織との戦いに振り向けられるという。