ここから先は、ポイントをまとめます。
1.「住まいが荒れると家族関係も荒れる」は本当だった
家が散らかる心理的ストレスは想像以上
散らかった部屋を目にすると、人は無意識のうちにストレスを受けます。視界に入るモノが多いほど脳は情報量を処理しなければならず、気持ちに余裕がなくなるのです。
「早く片づけなきゃ」「あれをどこにしまったっけ?」といった小さなイライラが積み重なると、家族のコミュニケーションにも悪影響が及びます。
「誰が片づけるのか問題」で家族が対立
特に共働き世帯や子育て世帯では、家事分担があいまいなままだと「なぜ私ばかりが片づけるの?」と不満が募りがちです。物理的に散らかっていることが、夫婦や親子がギスギスする直接のきっかけになるケースも多く見られます。
2.「ただ、片づけるだけ」ではリバウンドする理由
片づけても、気がつけば元通り――「片づけのリバウンド」が起こるのはなぜでしょうか? それは、モノの定位置を決めただけでは根本解決にならないことが多いから。
家族が自然に「片づけたい」「キレイをキープしたい」と思える仕組みがないまま、無理に片づけても、時間の経過とともに再び荒れるのは当然と言えます。
3.住まいのカギは「家具」と「家具配置」
実は、散らかりにくい家づくりのポイントは家具の選び方と配置です。以下の理由を見ていきましょう。
(1)家具配置が、家族の動線を変える
家族が毎日繰り返し使う動線――たとえば、リビングからキッチンへの通路や、玄関から部屋に入るルート――が家具によって妨げられていると、物が床に置きっぱなしになりやすくなります。逆に、動線を妨げない家具配置にすれば、家族はスムーズに必要な場所へ移動でき、荷物を“とりあえず置く”習慣が減っていきます。
(2)適切なサイズや機能が、置き場所を明確にする
家具そのものの大きさや収納力が、リバウンドを左右します。家族構成や部屋の広さに対して大きすぎるソファやテーブルを置くと、スペースが圧迫され、収納家具のスペースがなくなってしまうのです。
収納家具は、使い勝手と収納力がマッチした家具を選びましょう。物をきちんと納められるようになると、どこに置けばいいかわからない物が格段に減り、自然と片づけの習慣が継続します。
(3)家具の配置が「家族の会話」を増やす
家族関係を良好にするには、気軽に話せる空間づくりも重要です。例えば、テレビの向きやソファ、ダイニングテーブルの配置を工夫することで家族の顔が向かい合いやすくなり、自然な会話が生まれます。会話が増えると、互いの状況を把握しやすくなるため、ストレスや不満が溜まりにくくなるものです。