101歳、現役の化粧品販売員として活躍している堀野智子(トモコ)さん。累計売上高は約1億3000万円で、「最高齢のビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定されたキャリア61年のトモコさんが、年をとるほど働くのが楽しくなる50の知恵を初公開した話題の書『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)「堀野氏の技法は、ヒュミント(人間による情報収集活動)にも応用できる」と絶賛(日刊ゲンダイ・週末オススメ本ミシュラン)する世界一の先輩による“人生訓”は、アナタの疲れた心を元気にしてくれる!

「捨てる前にできること」伝線ストッキングを活用した意外なアイデアPhoto: Adobe Stock

1日を楽しく暮らすことが幸せ

 その日1日を自分なりに楽しく暮らせたら、誰でも幸せになれると思います。

 だって、人の人生は1日1日の積み重ねですから。

 幸せって、実はそんなにたいそうなものじゃなくて、小さなものでかまわないんじゃないかと昔から思ってきました。

私を夢中にさせるもの

 そんなふうに思えるのは、昔から好きでたまらないものがあったからかもしれません。

 それは「編み物」と「時代劇を見ること」の2つです。

 編み物に限らず、手仕事は子どものころから好きでした。和裁は仕事にしていたこともありますし、洋裁もやりました。

編み物の魅力

 中でも編み物は、場所を取らずにどこでもできる手軽さがあります。

 また、一度編んだものをほどいて編み直すこともできます。

 気がついたときには“大の編み物好き”になり、自分が身に着けるニット類は全部お手製になっていました。

伝線したストッキングでバッグづくり

 次々と編むので「作品」がどんどんたまっていきます。

 体は1つなので、あまりにたくさんのニット類があっても困ってしまいますよね。

 お客様に「堀野さんが着てるそのセーター、いいね」と褒められると、次に会うときまでに洗濯して、もらってもらうということもずいぶんありました。

作品へのこだわりよりも編む楽しさ

 私の場合、編むこと自体が好きなので、できあがったものにはあまり執着がないんです。

 むしろ、「こんなに増えちゃってどうしよう」と思ってしまうタイプです。だから、欲しそうなそぶりをする人がいたら、さっさとあげてしまいます。

「こんな貴重なもの、本当にもらっていいの?」と驚かれることが多かったですが、「いいの、いいの。もらってもらったほうが助かるんだから」と言って、受け取ってもらっていました。

伝線したストッキングを再利用

 とにかく何かを編んでいたくてたまらないので、まだあまりもののない時代には、伝線したストッキングを取っておき、細い帯状にして編むということもしました。

 そうやってストッキングを編んでつくったセカンドバッグを主人が気に入って、亡くなるまで使ってくれたものです。

「そんな古ぼけたのをいつまでも使わなくてもいいじゃない。新しいのを買えば?」と言っても、「これがいい」と言って、手放そうとしなかったんです。

 そのセカンドバッグは、まだ私の手元にあります。

※本稿は、『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。