ドナルド・トランプ氏が大統領の座に返り咲いたことで、関税への関心が盛り上がり、関税擁護論が高まった。関税は経済の「黄金時代」をもたらす、インフレは起きない、負担するのは米国人ではなく外国人で、政治紛争を戦うときの武器として有効、というわけだ。ほとんどの経済学者はそうは考えていないが、今どき経済学者の意見に耳を傾ける人などいない。こうした主張が正しいかどうかを確かめるには、「自然実験」――関税の効果に、トランプ氏が公約した減税や規制緩和などのその他の要素が混じりこまない状況――が必要だ。トランプ氏がカナダとメキシコに25%の関税を課そうとしていた72時間はそうした自然実験の一つである。経済の観点から関税を擁護する主張が説得力に欠けることを示す(暫定的な)証拠はある。関税は価格の上昇をもたらし、成長を阻害したりするように見える。少なくとも関税の一部は米国人が負担し、輸出業者にとって痛手となる報復を招く。
トランプ関税の初期評価、米経済にはマイナスだが
メキシコとカナダへの関税は米経済に悪影響を及ぼすと市場は判断したが、交渉ツールとしては効果的か
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