フランスは人工知能(AI)競争で巻き返しを図るため、自国の強みである豊富な原子力発電を活用しようとしている。仏政府は原子力発電でAIコンピューティング施設に1ギガワットを供給するプロジェクトを計画しており、費用は数百億ドルに上る見通しだ。民間の出資者と仏政府が明らかにした。これとは別に発表された同国のAIコンピューティング・プロジェクトでは、ブルックフィールド・アセット・マネジメントと中東の投資家が出資し、同じくギガワット規模の供給を目指す。いずれもフランスが掲げる総額1130億ドル(約17兆2000億円)の投資計画の一環で、欧州のAIコンピューティング能力を米国並みに高める狙いがある。この原子力プロジェクトは第1段階として、2026年末までに250メガワットの電力をAIコンピューティング向けに供給することを目指す。ソフトバンクグループ(SBG)と米オープンAIが支援する米国の「スターゲート」プロジェクトは、まず200メガワットを供給し、1.2ギガワットに拡大するとしている。