![【LA水原一平裁判ルポ】「彼は深く深く深く後悔している」。水原弁護の“形容詞戦略”が逆効果になったワケ](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/b/e/650/img_be11cfce5125fea4510c33db1bc8a931674924.jpg)
米大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(30)の口座から約1659万ドル(約25億2000万円)を不正送金したとして、銀行詐欺罪などに問われていた元通訳水原一平被告(40)の地裁判決が下った。禁固57カ月(4年9カ月)の量刑が言い渡されたカリフォルニア州の法廷内で、具体的にどんなやりとりがあったのか?現地で取材したジャーナリストが英単語のキーワードで読み解く。(取材・文/ジャーナリスト 長野美穂)
2月6日、カリフォルニア州のサンタアナにある連邦裁判所の法廷に午後12時半近くに筆者が到着すると、水原一平被告と彼を弁護するマイケル・フリードマン弁護士はすでに被告席に着席していた。
フリードマン弁護士は、3回以上後ろを振り返り、傍聴席を見回し、どれだけ多くの報道陣が来ているのかを確かめているようだった。
その間、水原被告は1度も振り返らず、真っ直ぐに前を見ていた。
しばらくして連邦検察官のジェフ・ミッチェル氏がひとりで原告側の席についた。係員が「法廷内での録音や撮影は厳禁です」と案内すると、黒い法衣をまとったジョン・ホルコム判事が法廷に入ってきて、全員が起立した。
「ミスター水原、あなたはこれまで裁判所に提出された全ての書類について、あなたの弁護士から説明を受け、内容を十分に理解していますか?」。ホルコム判事が水原被告に質問した。
すると水原被告は「Yes, Your Honor(はい、裁判官)」と答えた。この答えに筆者は、はっとした。