仕事がつまらない、好きなことを仕事にしたい、転職したほうがいいのか――。若手ビジネスパーソンが抱えるあるあるの悩みを、「ドムドムハンバーガー」をV字回復させたドムドムフードサービスの藤﨑忍社長に、ジャーナリストの笹井恵里子さんが聞いた。(ドムドムフードサービス代表取締役社長 藤﨑 忍、ジャーナリスト 笹井恵里子)

「仕事がつまらないから辞めたい」
と悩んでいるなら「辞めてもいい」

 前回前々回は「上司のあり方」についてお話をしましたが、今回は、一般の社員やスタッフとして働く方へ――あなたは毎日、楽しく仕事に取り組んでいるでしょうか。

「仕事がつまらないから辞めたい」→ドムドムハンバーガーを大復活させた藤﨑社長の言葉が深すぎたドムドムフードサービス代表取締役社長の藤﨑忍氏 撮影:今井一詞

 いや、仕事がつまらない、辞めたい、好きなことを仕事にしたいと悩んでいる人もいるかもしれません。今日はそのように仕事を続けるかどうか悩む人に、私からのアドバイスをお伝えできたらと思います。

 もし「仕事がつまらないから辞めたい」と悩んでいる人がいたら、「辞めてもいいと思う」と私は答えます。

 辞めたほうがいいか悪いかは、その人の人生に関わることで自分でしか判断できません。自己責任の範疇なのです。そう申し上げると冷たく聞こえるかもしれませんが、言葉を換えると、人のキャリアに対して自分が何かを言うのは僭越(せんえつ)だと思っているんです。たとえ若い人に対してであっても。

 だって、もしかすると「辞めたい」と言っている人がそこを退職し、転職したり自分で起業したりすることで、これからものすごく活躍するかもしれないですよね。それが他人である私には判断できませんから、「辞めてもいい」と心から思うのです。

仕事を選ぶ基準は「好きなこと」でも
「待遇」でも「金銭」でもいい

 また、仕事を決める上で重要なことは、人それぞれです。「好きなことを仕事にしたい」のもいいでしょうし、「待遇」「金銭」で仕事を選んでももちろんOK。私は居酒屋を起業するとき、夫に介護が必要な状態で、家族の生活費や息子の教育費を自分が稼がなければなりませんでした。当時の私にとって仕事を決める上で重要なことは「金銭」だったわけです。

 ですがドムドムに入社する時は、夫が亡くなり、息子が社会人になって、「生活のため」にこだわる必要はなくなりました。その時、これまで仕事そのものにフォーカスしたことがなかったので、今度は自分がどのように仕事に取り組み、力を発揮できるのかということを純粋に知りたいと思ったのです。

 そのように一人の人間の中でもライフステージによって仕事を選ぶ基準は変わります。

 ですからおのおののその時の判断で決めること。そして第三者として悩む人から相談されたのなら「辞めてもいいんじゃない」と言った後にこう質問するでしょう。「仕事がつまらないのはなぜだろう?」と。