アルコールの健康への影響が改めて注目される中、「アルコールと大麻では、どちらがより体に悪いか」という、よくある議論が再燃している。残念ながら、どちらも健康に悪影響を及ぼし得る、というのが手短な答えだ。「実際のところ、自分の健康が本当に心配なら、どちらも使わないだろう」。ジョンズ・ホプキンス大学教授で、大麻科学研究所の運営に携わるライアン・バンドリー氏はそう話す。もっと詳しい説明はこうだ。アルコールは何十年にもわたって幅広く研究されているのに対し、大麻、特に食用大麻の研究はまだ遅れを取り戻そうとしている段階で、どちらの方が体に悪いかという問いは複雑だ。「長期にわたって大量のアルコールを飲めば、健康に影響があるという事実を人々はかなり意識している」。マクリーン病院(マサチューセッツ州ベルモント)で神経科学的側面から大麻を研究するプログラムのトップを務めるステイシー・グルーバー氏はそう話した。「文献の観点から見れば、大麻は(アルコールほど)はっきり分かってない」