イスラエル政府がレバノン南部の戦略的な五つの地点を巡り、撤退期限後も支配権を維持することを要求している。この地域の不安定な停戦を維持しようとしているトランプ米政権の外交手腕が試されることになる。イスラエル側はレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの1年間にわたる戦争を経て、自国のコミュニティーを防衛するためにもこれら拠点が必要だと主張。一方でレバノン政府はこの案を拒否しており、数カ月の戦闘を終結させた合意を巡って摩擦が生じている。イスラエルはシリアのアサド政権崩壊後にヘルモン山の山頂を含む拠点を確保する動きや、イスラム組織ハマスとの16カ月に及ぶ戦闘後には、ガザ地区内の緩衝地帯を拡大する動きを見せた。今回のレバノン南部の高地に関する方針は、これらに続くものとなる。