「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【売上7600万円が20%ダウン。いくら減った?】2秒で答えられない人は“二流”。一流はどう考える?Photo: Adobe Stock

「数字に強い人」がやっていることの正体

問題:7,600万円の売り上げが20%ダウン。いくら減った?

 ちょっと「うっ」ってなりますよね。ビジネスではこういった「ちょっとした%のかけ算」がよく出てくると思います。ここで数字に弱い人は、すぐに電卓やスマホを出して計算をしてしまいますよね!

ただ、職場にいる「数字に強い人」はこういった計算の答えを一瞬で導き出していると思います。特にビジネスにおいては、数字に弱いままでは大きな仕事を任せてもらうのは難しいでしょう。しかしそうは言っても、数字に強くなるのは難しいように思えるかもしれません。

そこで今回は、「実質」数字に強い人になることができるカンタンな計算法「ケタ後回し計算法」を紹介しましょう。

「だいたいの答え」を先に予測する

今回求めたい数字は

7600×20%

ですね。こういった計算に出会った時、数字に弱い人はいきなり計算しようとしますが、それは今日でやめてください。計算する前に、まず「数字を整えるのです。

たとえば、20%は、1/5と同じですね。

これだけだとまだピンとこない方もいるかも知れませんが、たとえば次の例はなんとなくわかると思います。

5000円の1/5は?
→1000円
10000円の1/5は?
→2000円

今回の「7600」は、5,000と10,000の間ですから、7600の1/5は「1,000万~2,000万円の間くらいになりそうだ」とわかります。

ここまでくれば、あとは「ケタ後回し計算法」の出番です。

まずは頭の数を計算しましょう。頭の数を計算すると、76×2=152です。つまり、152万とか、15.2万とか、1520万とかです。
では、ケタを考えてみましょう。

15.2万円 152万円 1520万円

さっき求めたとおり、答えは「1,000万~2,000万円の間」になりますから、1520万以外は小さすぎますね。したがって売上は1520万円のダウンです。

数字に強い人は「一歩立ち止まる」

いかがでしょうか。今回は説明のために丁寧に計算しましたが、これは慣れると頭の中で一瞬でできるようになります。一見電卓を使わないとできなさそうな面倒な数字が、なんだか少しカンタンな「かわいい数字」に変わりましたね。

数字に強い人とそうでない人の違いはここにあります。数字に弱い人は、面倒な数字が出てきたときにそのまま向き合ってしまいます。

しかし数字に強い人は、計算する前に「一歩立ち止まる」のです。すぐに計算をする前に、数字を「どうてなずけるか」を考えてから計算をするので、余計な頭のリソースを使わずに済むのです。

その結果として、より楽しいことや、重要なことに思考を割けているのです。この考え方を覚えておくと、数字が苦手な人も、今よりもっと得ができると思います。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)