米国の欧州同盟諸国は、第2次トランプ政権との関係が困難なものになると分かっていた。そうであっても、ここ数日で彼らが米政府から受けた衝撃は危機に等しい。米国からの警告はおおよそ次のようなものだ。「しっかりしろ、さもなければ米国は出て行くぞ」
まずはウクライナ戦争の話からだ。これは1945年以降に欧州の地で起きた最大の軍事紛争であり、欧州大陸諸国の指導者たちは、自分たちの安全保障が危機にさらされていることを認識している。しかし、ドナルド・トランプ大統領のメッセージは、ウクライナ戦争がどのように解決されるべきかについて、欧州の人々がどう考えているかなど米国は気にしていないというものだ。
トランプ氏は先週、この紛争の終結について、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談した。この出来事は欧州を驚かせた。ピート・ヘグセス米国防長官もまた、同盟・友好諸国に相談することなく、ウクライナは2014年のロシアによる最初の侵攻で失った領土の回復を期待すべきではないとの考えを明らかにした。トランプ政権のウクライナ・ロシア担当特使キース・ケロッグ氏は記者会見で、欧州諸国が和平交渉で役割を果たす可能性について問われ、「それはないだろう」と述べた。